
2016年春以降から本格的に始動を開始する「ETC2.0」サービス。
「ETC2.0」とは、従来のETCの高速利用料金の収受だけではなく、渋滞回避や安全運転支援といったドライバーに有益な情報を提供するサービスです。
最近では、高速道路各社もキャンペーンを始めるなど、高速に乗る機会がある方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
聞いたことはあるけど実際どんなサービス内容なのかよく分からない、このサービスを利用するべきかどうか迷っているという方のために今回は「ETC2.0」のサービスについて徹底解説します。
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ETC2.0が提供出来る3つのサービス
ここではETC2.0が出来る3つのサービスについてご説明します。従来のETCと比べ、どんな特徴があるのかを見ていきましょう。
情報提供サービス
安全運転支援
落下物や渋滞末尾情報、先の見えない急カーブなどを危険事象に関する情報を事前に静止画で知らせてくれます。
運転中などに起こる突然のトラブルを回避してくれる画期的なシステムです。
渋滞回避支援
渋滞状況をタイムリーに知ることが出来ます。例えば、神奈川から都内に帰る場合、事前にどの道路が混んでいるか渋滞状況がわかっていれば渋滞を回避することができますよね。
※ITSスポットでは、最大1,000km分の交通情報が分かります。郊外から首都圏に入る時点で、首都圏全体の所要時間を受信できるため、ETC2.0対応カーナビが、運転状況に合わせた最適なルートを選べるようになりました。
DSRC通信を利用し、ETC2.0サービスが行われる場所のことを指します。高速道路上のサービスエリアや、道の駅にあるITSスポットには、右のようなマークが入った表示版が設置されています。ITSスポットは全国の高速道路上に約1,600箇所設置してあり、詳しくはコチラで場所の確認が出来ます。
災害時の支援
高速道路を運転中にもしも地震が発生した際に今どのような状況にあるのかなどの支援情報を提供してくれます。
このサービスがあることにより、全く予測のつかない災害時でも、落ち着いた行動がとれるようになります。
経路情報を活用したサービス
現在は、実施されていませんが、今後導入予定のサービスです。
・渋滞等を迂回する経路を走行したドライバーを優遇する措置
・商用車の運行管理支援
・特車の経路確認と許可の弾力化
注意)このサービスを利用するためには、ETC2.0対応車載器への再セットアップが必要です。従来型のETC車載器では同サービスは受けられません。
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広がる民間サービス
民間駐車場決済、車両の出入管理は現在実施中で、ドライブスルー決済はサービスをまだ受けられません。その他にも、今後順次新たなサービス追加予定です。
・民間駐車場決済
・車両の出入管理
・ドライブスルー決済
・観光等の情報提供
ETC2.0サービスを受ける方法
ETC2.0サービスを受ける方法は2つあります。
1つ目は、ETC2.0対応の車載器を新たに購入すること、2つ目は、お持ちの車載器を再セットアップすること(ETC2.0に対応しているということが前提条件)です。
前者は、ETCの車載器がなく、新たに購入しようと考えている人または、お持ちの車載器がETC2.0未対応だった方向けの方法。後者は、既にETC2.0に対応した車載器を持っているかた向けの方法です。
まずは、ETC2.0対応の車載器を新たに購入する方法についてみてみましょう。
ETC2.0対応の車載器の購入する
ETC2.0対応車載器の購入をする場合、車載器の購入に加え、セットアップ及び取付けが必要となります。
セットアップに関しては、コチラの記事で詳しく紹介しています。記事を読んで、まずはセットアップについて正しい知識をつけましょう!
また、ETC2.0ショップステッカーが貼られている指定の店でセットアップを行えます。(※右の図参照)お近くのお店は、コチラから探せます。
車載器の購入、セットアップ代、取り付け代などETC2.0のサービスを受けるまでの費用として、平均しても約5万前後、場合によっては10万前後かかることもあります。
購入に関しての全体的な流れがわかったところで、次はETC2.0の車載器について詳しくみてみましょう。
ETC2.0対応車載器の種類
車載器には異なるカーナビ連動型、発話型、スマートフォン連動型の3種類があります。
それぞれ特徴が異なりますが、一般的にETC2.0のサービスは、カーナビの画面上で情報を受け取り、運転に役立てるサービスのことを指すため、カーナビ連動型以外の2つに関しては、特殊なタイプとなります。
カーナビ連動型以外の2つに関しては、事前知識としてみておきましょう。
カーナビゲーション連動型ETC2.0対応車載器
ETC2.0対応車載器で受信した様々な情報を音声や画像に表示し、カーナビに反映させます。
接続したカーナビでは、道路上の情報提供サービス、サービスエリアや道の駅でのインターネット接続サービスなどの広範囲で詳細な情報サービスを受けることが出来ます。
発話型ETC2.0対応車載器
音声のみで情報サービスを受けることが出来ます。カーナビのような画像表示はありません。
発話型にも、GPS機能がついている車載器とついていない車載器の2種類に分かれます。前者と後者の違いは、迂回経路がわかるサービスがついているかついていないかということです。GPS機能がついているものをオススメします。
スマートフォン連動型ETC2.0対応車載器
車載器にETC2.0対応アプリをインストールしたスマートフォンを接続します。
カーナビ連動型ETC2.0対応車載器同様に、接続したスマートフォンで音声や画像に表示することができます。ただし、現在はアンドロイド端末のみの接続となります。
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オススメの車載器
オススメの車載器を紹介する前に、1つお伝えしたいことがございます。
「ETC2.0対応車載器の種類」にて、発話型・スマートフォン連動型についてご紹介しておりますが、ETC2.0というサービス自体が比較的新しいため、車載器の性能や機能の観点から言って、どのメーカーもほぼ変わらず、特にオススメ出来る車載器がありません。
その中でも選ぶとしたら、発話型ですと、一番値段の安い車載器。スマートフォン連動型ですと、デンソー(DENSO) DSRC車載器 ITSスポット対応 DC12V専用 デンソー品番 104126-4540 【セットアップ無し】 DIU-A050となります。(アンドロイド携帯のみ連動可、本体価格 約26,000円)
スマートフォン連動型に関しては、この車載器しか対応出来るものが現在ではありません。
ここでは、ETC2.0で一般的と言われているカーナビ連動型の車載器についてご紹介します。イエローハットのスタッフさんに、オススメの2種類について伺いました。事前情報として、ぜひご参考にしてください。
カーナビゲーション連動型ETC2.0対応車載器
カーナビ連動型タイプは、原則としてカーナビと同一メーカーで車載器を選ばなければなりません。
まずは自分自身がどのメーカーのカーナビを使っているかを確かめましょう。確かめる方法としては、カーナビを購入したお店に電話する、もしくは、コチラで確認できます。
以下、2種類のオススメの車載器です。
出典:kakaku.com
パナソニック CY-DSR140D
DSRC車載器の相場自体が3万円台と言われる中で、パナソニックの車載器は約22,000円前後と相場より安いのが魅力的です。
性能や機能がどのメーカーもほぼ一緒ですので、高速道路ちゃんとしても、カーナビがパナソニックであれば、こちらの車載器の購入をオススメします。また操作が簡単という初心者の方にも嬉しいメリットがあります。
出典:kakaku.com
パイオニア ND-DSRC3
パイオニアは数あるカーナビの中でも一番頭が良く、中でもGPSの機能が非常に優れています。
例えば、トンネルの中や都内の高い建物がいっぱいあるところだとGPSの情報が拾えず、ズレて表示されることがありますが、パイオニアのナビは一切ズレることがなく、とても優秀です。
値段は約32,000円と少し相場より高いですが、優秀なカーナビと連動させて使いますので、ETC2.0の道路情報サービスを受ける上でも正確な位置情報を受け取りたい方には、オススメの車載器です。
お持ちの車載器を再セットアップする
次は、再セットアップの方法についてご説明します。セットアップに関しては、コチラで詳しく紹介しています。
まず、再セットアップが出来る車載器の条件として、「ETC2.0に対応している」ということが大前提となります。
再セットアップ可能な車載器か確かめる方法
確かめ方は、以下2つの方法があります。
1.車載器を購入した専門店に行ってみてもらう
2.「DSRC」「ITSスポット」と表示されているマークの記載がある(※右図参考)
再セットアップ方法
再セットアップには、以下が事前に必要となります。
・車載器の管理番号
お近くの専門業者で行いましょう。費用の相場は、約3000円前後。セットアップにかかる時間は、約10分です。
ETCのポータルサイト内で、ETC2.0再セットアップキャンペーンを促進しています。
先着10万名様に再セットアップ料金の2,700円を負担してくれるという、これからETC2.0サービスを導入しようと考えていた方向けに嬉しいキャンペーンです。再セットアップ料金を2700円で行っているお店では、セットアップ料金が無料になります。
ETC2.0サービス導入前に注意したいこと
導入検討にあたり、サービス導入前の注意点をしっかりと把握しておきましょう。
導入までの費用が高い
通常のETCの本体代が約1万円に比べ、そもそもの本体代金が約3万円然後と値段が高く、プラスして、取り付け代金・セットアップ代金がかかってくるため、サービス開始までに約5万前後と初期費用にコストがかかります。従来
のETCの導入と比較して2~4倍の導入費用がかかります(通常のETCだと合計で約15,000円前後)
しかし最近では、ETC2.0の車載器を購入する方向けに国が補助金のキャンペーンを開始するなど、補助金を上手く利用して、少しでも安く、ETC2.0サービスを導入するのも良いでしょう。
「ETC2.0」が実現する割引制度
ETC2.0サービスの1つとして、注目されているのが、ETC2.0を利用した割引制度です。
国土交通省は、「首都圏の新たな高速道路料金に関する方針」を発表し、2016年4月からの適用を検討しています。実質的な割引は、当面、圏央道のみとなりますが、今後、圏央道以外の割引制度が始まりますが、未だ、いつ始まるかは未定となっています。
直近では、頻繁に関東圏を走行するドライバー以外は、割引の恩恵を享受する機会は少ないと考えられますので、新しく導入する場合は、関東含め、ある程度のサービスが整った時点での本格的な導入をオススメします。
まとめ
いかがでしたか。時代の流れと共に、今後ますます普及するであろうETC2.0サービス。
現時点では、正直なところ、導入費用も高く、まだサービス自体が整っていないため、なかなかメリットを感じにくい部分があるかと思います。
もし新しく導入を考えているようであれば、全てのサービスの普及促進の助成金給付などが決まり、サービスが整った時点で、改めて検討することが無難でしょう。
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