
『2016年4月より、ETCの次世代規格「ETC2.0」が本格的に運用開始されました。新しいサービスや料金の割引を受けることができます。』
そう言われても、何かあまりピンと来ないなぁ・・・
そんなドライバーさんはいませんか?ETC2.0をまだ導入していない方にとっては、どんなものかよく分からない、というのが正直なところではないでしょうか。
ETC2.0って、そもそも何だっけ?
どうやって導入すればいいのか分からない。
新しい設備は高額だって聞いたけど、お得に入手できないかな?
今回の記事は、そんな疑問をお持ちの方にぜひチェックしていただきたい内容です。特に、ETC2.0をお得に導入できる「ETC2.0車載器購入助成キャンペーン」は、申込締切が迫っています。導入を検討している方、要チェックです!
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ETC2.0って、何だっけ?ざっとおさらい
2010年以降、大都市では環状道路が整備され、経路選択の幅が飛躍的に広がりました。例えば東京では、2015年に首都高速中央環状線が全線開通し、目的地までのルートが何通りも選べるようになったのです。
そんな中でも、ETCによってスムーズな料金収受が実現、料金は一瞬で誤りなく計算されます。ETCに登録したクレジットカードで支払うので、ゲートはまさに通過するだけ。ETCカードさえきちんと装着していれば、財布を忘れたってOKです。料金所のおじさんに小銭をジャラジャラ支払っていたころを思うと、本当に便利な世の中になったものです。
そのETCが、さらに進化しました。それが「ETC2.0」です。
ETC2.0とは、従来の通行料金自動決済機能に加え、渋滞回避や安全運転支援といった、ドライバーに有益な情報を提供するサービスのことです。ETC2.0を導入することで、これらの新しいサービスを受けることができます。また、特定の区間に限り高速道路料金も割引になります。ETC2.0のサービス内容を、ざっくりポイントをご紹介します。
詳しい解説はコチラに掲載していますので、ぜひご一読ください。
『従来のETCと何が違うの?ETC2.0サービスを徹底解説』
ETC2.0で提供される3つの基本サービス
(1)渋滞回避支援
「ITSスポット」から最新情報を得るたびに、ETC2.0に対応したカーナビなどでは常に最適なルートを案内します。道路に設置された「ITSスポット」と、車に搭載された「ITSスポット対応のカーナビ」との間で、高速かつ大容量通信を行うことで、様々なサービスを実現しているのです。
(2)安全運転支援
安全運転支援とは、ドライブ中のヒヤリを減らすため事前に注意喚起情報の提供を行うことです。カーブの先などで渋滞や障害物、落下物などの障害の手前で、画像と音声で情報提供します。事前に前方の渋滞や障害物の状況がわかるため、安心して運転することができます。事故多発地点や、気象の急変なども知らせてくれるので、事故防止に非常に役立ちます。
(3)災害時支援
災害発生と同時に災害発生状況と併せて、支援情報を提供します。より広範囲の道路状況を把握し、広域渋滞情報を入手することが可能なので、大災害時の通行可能ルート情報の提供により防災対策を支援します。
新たな割引の導入
(1) ETC2.0割引
2016年4月1日より、ETC2.0車載器を利用する車両を対象に、新たな通行料金の割引が実施されています。ETC2.0車載器を搭載した車両で圏央道および新湘南バイパスを利用した場合に、通行料金が2割ほど割引されるというものです。
・対象区間
圏央道:茅ヶ崎JCT ~ 海老名JCT 海老名~木更津JCT
新湘南バイパス:藤沢~茅ヶ崎
(2) 外環道迂回利用割引
都心部を発着し放射高速道路を利用する場合、東京外環道を1JCT間のみ迂回利用した場合であっても東京外環道の料金は全額割引されます。
・適用要件
①首都高速の都心環状線内の出入口※1を発着
②東京外環道を1JCT間のみ迂回利用して放射高速道路※2を利用
③料金所でETC無線通信により走行
※1 首都高速の都心環状線内の出入り口
首都高速・・・宝町、京橋、新富町、銀座、汐留、芝公園、飯倉、霞が関、代官町、北の丸、神田橋、常盤橋、八重洲、丸の内、呉服橋、江戸橋
東京高速・・・新橋、土橋、西銀座、新京橋、東銀座
※2 対象となる放射高速道路
東北道、常磐道、首都高速埼玉大宮線
ETC2.0の仕組みをざっとおさらい
ETC2.0がどんなものかざっと確認できたところで、次は仕組みです。ETC2.0で提供される渋滞回避や安全運転支援といった新しいサービスは、どのような仕組みで実現されているのでしょうか?ざっとおさらいしておきましょう。
詳しい解説はコチラに掲載していますので、ぜひご一読ください。
『従来のETCと何が違うの?ETC2.0サービスを徹底解説』
ITSスポットとは
道路に設置された「ITSスポット」から最新情報を得るたびに、ETC2.0対応カーナビなどで常に最適なルートを案内します。従来のVISC(電波ビーコン2.4GHz帯)では最大道路延長200kmの情報が得られましたが、ETC2.0(電波ビーコン5.8GHz帯)では、その5倍、最大1,000km先の情報を得ることができます。またITSスポット1箇所から得られる簡易図形情報が、従来の1枚から4枚へと大幅に増えており、視覚情報もよりリアルに、現実的な情報となっています。
DSRCとは
DSRC (Dedicated Short Range Communications) とは、5.8GHz帯の電波ビーコンによる通信方式です。狭い範囲での双方向通信を目的としており、ETCの自動料金収受システムにも採用されています。
高速道路上に設置済みのITSスポットは全国で1,600箇所。このITSスポット下を通過するたび、ITSスポットと車載器間でDSRC技術を用いた大容量・高速な双方向通信が自動的に行われます。この双方向通信で得られる情報量は膨大です。広域な道路交通情報や画像が提供され、より現実に即した道路状況を視覚的に把握することが可能となるのです。
ETC2.0のサービスを受けるにはセットアップが必要
ETC2.0の新サービスを受けるには、2015年7月以降にセットアップを行った車載器を使用することが前提です。それ以前にセットアップを行ったETC2.0対応車載器は、新たに再セットアップが必要です。
従来機器での渋滞情報提供は2022年3月まで
高速道路で提供される渋滞情報は、現状では電波ビーコン2.4GHzとETC2.0(電波ビーコン5.8GHz帯)の新旧2本立てで提供しています。しかし国土交通省は、旧来からの電波ビーコン2.4GHzの設備更新の打ち切りを発表。このサービスを順次淘汰し、2022年3月には打ち切ることを決定しました。高速道路の料金決済は、2022年3月以降も従来のETC機器で利用可能です。
まだ間に合う!ETC2.0助成キャンペーン
わずか7か月で普及台数が約2.5倍に
一般財団法人ITSサービス高度化機構が運営するETC総合情報ポータルサイト「GO!ETC」では、ETC利用に関するさまざまな情報が発信されています。その中で、ETC2.0車載器普及台数(ETC2.0新規セットアップ台数+ETC2.0再セットアップ済みDSRC車載器台数)の推移は、平成28年10月末時点で約107.8万台。平成28年3月末時点の約42.2万台から、わずか7か月という短期間で約2.5倍に増加したことになります。
NEXCO 3社の助成キャンペーン
この急激な増加の背景には、ETC2.0を普及させるためにNEXCO 3社(東日本/中日本/西日本)が数々のキャンペーンを実施した影響があります。これは大きなポイントです。
ここでは、今からでも間に合う助成キャンペーンをご紹介します!ETC2.0の導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
① 2016年12月27日申込分まで!NEXCO ETC2.0車載器購入助成キャンペーン
NEXCO3社(東日本/中日本/西日本)が実施している助成キャンペーン。対象店舗で新規にETC2.0車載器を購入、セットアップ、取り付けを行い、その場で必要な申込書を提出した人が対象です(ETCコーポレートカードをご利用でない方に限ります)。助成金額は1万円/台です。この助成は大きいですよね!
しかし2016年11月25日、このキャンペーンは2016年12月27日(火)の店頭申込分の受付までで終了すると発表されました。キャンペーン期間は2016年7月1日~2017年3月31日の予定でしたが、当初の発表通り、助成申込台数が全国で5万台に達する見込みとなったためです。
ETC2.0の導入をご検討中の方、今ならまだ間に合いますよ!詳しくはコチラをご確認ください。
NEXCO ETC2.0車載器購入助成キャンペーンサイト
再セットアップのETC2.0車載器やDSRC車載器、新車に標準装備されているETC2.0車載器は助成対象外となります。また、他のキャンペーンと重複して助成を受けることはできませんので、ご注意ください。
なお、ETCコーポレートカード利用の業務車両を対象とした助成については、引き続き受付中となっているようです。詳しくはキャンペーンサイトでご確認ください。
② ETC2.0 再セットアップサポートキャンペーン(平成28年度)
こちらは車載器の新規購入ではなく、すでにお持ちのETC2.0対応車載器に対する再セットアップの助成キャンペーンです。
2015年6月30日以前に購入・セットアップしたETC2.0対応車載器に対し、ETC2.0再セットアップを行い、かつ申込書のアンケートに回答した方が対象です。再セットアップ費用に対し、最大2,700円(税込)の助成を受けることができます。※2015年7月1日以降にETC2.0対応車載器をセットアップした方は、再セットアップは不要です。
キャンペーン期間は2016年4月1日~2017年3月31日、助成件数5万件に達した場合はその時点で終了となります。
詳しくはこちらのサイトでご確認ください。キャンペーンの詳細内容とともに、現在の申し込み状況も掲載されいます。2016年12月5日時点での申し込み件数は14,656件です。
ETC2.0再セットアップサポートキャンペーンサイト
ETC2.0のメリット・デメリット
ETC2.0のメリット
① ETC2.0で高速料金が安くなる
2016年4月からETC2.0が本格的に導入され、ETC2.0を搭載した車両を対象に、通行料金の割引きを実施されています。当面は圏央道など一部道路に限られていますが、今後はさらに割引き対象が拡大されていくものと予想されます。
② カーナビの5倍!賢いルート選択が可能に
ETC2.0では、より広範囲の道路状況を把握し、広域渋滞情報を入手することが可能になります。その範囲は従来の5倍!より広い区域の渋滞や事故情報、天候などをいち早く知らせてくれるのは大きなメリットです。ベストな経路を提示することで、ドライバーの負担は大きく軽減されます。長距離ドライバーにとっては、特にありがたい機能と言えそうです。
カーナビのガイドによって交通量が多い道を迂回し、渋滞していない道を選択した場合、通常のETC利用時よりも安い料金設定とすることも検討されています。高速道路を降りて渋滞を回避し、再度乗る場合でも料金が割引されるというもの。これは早く実現してほしいですね!
③ より安全に!危険回避情報
ルートの先にある故障車や落下物などの障害物、積雪や霧などの危険情報を事前に知ることができます。遠方で起こった地震や津波といった自然災害も素早く察知できますから、危険を回避し、より安全なドライブが可能になりますね。
④ ETC2.0がもたらす、もう1つのメリット
前述の①~③は、ドライバー自身が直接感じやすいメリットでしたが、実はもう一つ、別の視点から見たメリットがあります。それは渋滞緩和。特定の時間や場所に交通が集中しないということは、道路の劣化を遅らせることにつながります。その結果、何が起こるのでしょう?ズバリ、道路が長持ちします。渋滞が減れば、事故が減る可能性もあります。ETC2.0が普及することで、事故を減らし、限られた資源である「道路」をより効率的に、長期的に、賢く使えるようにもなるのです。
ETC2.0のデメリット
機能的には素晴らしいことばかりのETC2.0。しかし・・・デメリットもあります。
① 移行費用がかかる
ETC2.0への移行は、やはりお金がかかります。ETC2.0のサービスは、従来のETC車載器では受けられないため、対応機種に付け替える必要があるからです。従来のETC車載器は5,000円程度から買えましたが、ETC2.0車載器は安い機種でも1万5,000円は下りません。上位機種では4万円というものも・・・高い・・・。取り付け料金、セットアップ料金も別途かかるので、安い機種でも合計で3万円程度は覚悟が必要です。
使用中のカーナビがETC2.0(ITSスポットサービス)に対応していない可能性もあります。対応していない機種だったとしたら、カーナビ連動ができません。もしカーナビまで買い換えとなったら、5万や10万では済まない可能性も・・・これはかなり痛いです。使用中のカーナビがETC2.0対応機種かどうか、事前に確認しておくことをお勧めします。
② 2015年6月30日までに購入したDSRC車載器は再セットアップが必要
ETC2.0の情報提供サービスは、DSRC車載器を通じて行われます。2015年6月30日より前に購入、セットアップを行った車載器を使用する場合はそのままでは新しいETC2.0のサービスを受けることができません。ETC車載器の販売店、カー用品店、整備工場など対応してくれる店舗へ持ち込んで、「再セットアップ」を行う必要があります。3~4,000円程度の費用がかかります。
③ まだ首都圏中心のサービス
前述の通り、ETC2.0を導入することで様々なメリットがあるのですが、現時点ではまだ首都圏中心のサービスが多くなっています。将来的には、全国的なサービス展開となることが期待されます。
まとめ
いかがでしたか?
ETC2.0のサービスを受けるためには、まず対応車載器を購入しセットアップする必要があります。または、お手持ちの車載器を再セットアップすることでETC2.0に対応できる可能性もありますので、確認してみましょう。
従来のETC車載器に比べ少々根が張りますが、今ならNEXCO3社が実施している助成キャンペーンにギリギリ間に合います!導入を検討されている方はお早めに・・・
ETC2.0は、通信技術と民間業者との提携によって、さらに様々なサービスが広がっていくことが期待されています。高速道路に止まらず、ガソリンスタンドやドライブスルー、コインパーキングで自動決済が可能になり、お財布が要らなくなる時代が来るかもしれません。ETC2.0の今後の展開、注目です。
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